〇遺留分とは?→こちら(2024/11/19修正)
〇遺留分を有している相続人は誰?→こちら
(2024/11/20作成)
〇総体的遺留分と個別的遺留分→こちら(2024/11/20作成)
〇遺留分算定の基礎となる額~贈与した財産も加えます。→こちら(2024/11/20作成)
遺言書で遺留分の割合を変更をすることは可能ですか?→こちら(2024/11/20作成)
〇遺言者の生前に遺留分を放棄してもらうことは可能ですか?→こちら
(2024/12/03作成)

遺留分という言葉を聞いたことがある方もおられるでしょう。遺留分とは相続人に認められた
最低限度の取り分の事を言います。
この遺留分は、被相続人が特定の相続人に全財産を相続させるという遺言をしていても、消滅
させることは出来ません。この遺留分を侵害する遺言等がなされた場合、遺留分を有している
相続人は、遺留分侵害額請求権を行使して、侵害された遺留分に相当する金銭を請求すること
が出来ます。なお、この遺留分侵害額請求権は2019年7月1日に施行され、この日以降に生じた相続に適用されています。それ以前は遺留分減殺請求と呼ばれていました。この二つの違いは
遺留分侵害額請求権は金銭請求しかできないというところです。すなわち遺留分権者が特定の
不動産を欲しいと思って、遺留分侵害額請求権を行使しても認められません。
なお、2019年6月30日以前に生じた相続については、現在でも遺留分減殺請求権の規定が適用されますのでご注意ください。


 

遺留分について「相続人=遺留分権者」と思っている方も多いでしょう。しかし、実はそうでは
ありません。遺留分権者は、相続人の内

    〇配偶者
    〇直系卑属(子・孫)
    〇直系尊属(父母・祖父母)
      →被相続人に直系卑属がいない場合のみ


のみであり、兄弟姉妹又はその直系卑属(甥姪)は遺留分権者となりません。従って、兄弟姉妹
と配偶者が相続人となることが予定されている場合、「配偶者に相続させる」等の遺言書を作成
しておくことが、相続争いを回避する強力な手段となります。

遺留分の計算にあたっては、遺留分権利者全員に認められる全体額である「総体的遺留分」を
もとにして、各遺留分権利者の取得割合である「個別的遺留分」を算出します。
総体的遺留分については、民法1042条によって次のように定められています。

    ①直系尊属のみが相続人となる場合 3分の1
    ②①以外の相続関係の場合     2分の1
      
次に各遺留分権利者の個別的遺留分ですが、これは上記の総体的遺留分に各遺留分権利者の
法定相続分を乗じて算出します。例えば、相続人が、妻・長男・長女の場合は、

  妻の個別的遺留分 =1/2(総体的遺留分)×
1/2(法定相続分)=1/4
  長男の個別的遺留分=
1/2(総体的遺留分)×1/4(法定相続分)=1/8
  長女の個別的遺留分=1/2(総体的遺留分)×1/4(法定相続分)=1/8

となります。

 

遺留分の計算の基礎となる額は、相続発生時に被相続人が残した財産の総額とは限りません。
一定の要件を満たすと、贈与をした財産を相続発生時財産に加えなければなりません。対象と
なる贈与は、民法で次のように定められています。

   ①相続開始前の一年間になされた贈与
     →無条件で加える

    ②相続人対する贈与で、当該贈与が婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本とし
    て受けた贈与の場合
     →
相続開始前の10年間になされた贈与は無条件で加える
   ③贈与者及び受贈者が遺留分権利者に損害を加えることを知っていた時
     →贈与の時期に関わらず加える
   ④負担付き贈与の場合で①②③に該当する場合
     →贈与財産の額から負担額を控除した額を加える
   ⑤不相当な対価でした有償行為
     →当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていた時に限り、
      当該対価を負担とする負担付き贈与とみなされ、目的物の価額から対価
      を控除した額を加える

なお、⑤の「不相当な対価でした有償行為」とは、時価1000万円の不動産を200万円
で売却する等の著しい低額譲渡が該当すると思われます。

総体的遺留分の規定や個別的遺留分の規定は、当事者の意思によって法律と異なる効果を生じ
させることが出来ない強行規定とされています。
従って、遺言書で民法の規定と異なる遺留分の割合を指定したとしても、その部分については
無効となります。
特に、自筆証書遺言書を作成する場合、専門家に相談することなく作成することが可能ですの
で、法的に無効な条項が入ってしまう可能性もあるので、気を付けましょう。
一方公正証書遺言書の場合は、公証人のリーガルチェックが入ることから、このような無効と
なる条項が入る心配はないでしょう。

「長男に全て財産を相続させるとの遺言を作成し、他の子供たちにはあらかじめ遺留分を放棄して
 貰いたい。」


このような相談を受けることがあります。結論から言うと、遺言者の存命中に遺留分権利者が遺留分
を放棄することは可能ですが、家庭裁判所の許可を得る必要があります。従って、例えば遺留分権利
者が書面で「遺留分を放棄する」旨の意思表示をしても、裁判所の許可がないと無効となります

このように、遺言者の生前中に遺留分を放棄するための要件として裁判所の許可を必須としたのには
、遺言者や受遺者が生前に遺留分権利者に高圧的に放棄を迫る等して、真意でないのに放棄せざるを
得ない状況に追い込まれるのを防ぐためだと言われています。
一方、遺言者の死後すなわち相続発生後に遺留分権利者が遺留分を放棄する場合は、裁判所の許可は
不要です。従って、口頭でも書面でも遺留分を放棄する旨の意思表示をすれば、それだけで有効とな
ります。

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