認知症の人でも遺言書作成は可能?

このページでは、認知症の人でも遺言書作成可能かどうかについて解説しています。認知症の
親に遺言書作成してもらいたい方等のご参考になれば幸いです。

〇遺言書作成には遺言能力が必要です→こちら(2024/07/04作成)
〇認知症=遺言能力無しではない→こちら
(2024/07/05作成)
〇どのような判断基準で有効無効を判断するの?→こちら
(2024/07/08作成)
〇具体的な基準~遺言書の内容~→こちら
(2024/09/20作成)

遺言書作成には遺言能力が必要です

形式的な要件を具備した遺言書を作成しても、作成時に遺言者が遺言能力を有していなければ
無効となります。
この遺言能力とは、ずばり作成した遺言書によって、どのような効果が発生
するか理解できる能力
のことです。例えば、妻に自分の財産を全部相続させるという内容の遺
言書を作成した場合、妻に全財産が承継されるということを理解している必要があります。
認知症の方が、遺言書を作成する(又はした)場合、作成時に遺言能力の有無を巡って紛争になることがあります。

 

認知症=遺言能力無しではない

一般的に「認知症になったら遺言書を作成しても無効になる」すなわち認知症を発症する=遺言
能力無しとみなされると誤解されがちです。しかし、裁判例を分析しますと、裁判所の多くが
認知症を発症しているからといって、認知症の人が書いた遺言書を機械的に無効と判断してい
るわけではありません
。様々な事情を考慮して認知症の人が書いた遺言書が無効か有効かを判
断しています。
すなわち、「認知症の人が書いた遺言書は常に無効になる」は間違いで、
認知症の人が書い
た遺言書は無効になる可能性がある」というのが正解です。

ただ、認知症を発症していない人と比べると、認知症を発症している人が書いた遺言書は、紛争になりやすい傾向にあることも事実ですので、物忘れ等がないうちに遺言書を作成したほうが
良いのは言うまでもありません。
では主に裁判所は、どのような判断基準で有効・無効を判断しているのでしょうか?それはま
た別記事で書きたいと思います。

 

どのような基準で有効・無効を判断するの?

裁判所が、どのような基準で遺言能力の有無を判断しているかについてですが、最高裁判例で
はありませんが、一つ参考になる下級審判例があります。この判例では、遺言能力の有無の
判断について、

一般的な事理弁識能力があることについての医学的判断を前提にしながら、それとは区別
されるところの法的判断として、当該遺言内容について遺言者が理解していたか否かを検討
するのが相当であり、主として
①遺言時における遺言者の精神上の障害の存否、内容及び程
度、②遺言内容それ自体の複雑性、③遺言の動機・理由、遺言者と相続人又は受遺者との人
的関係・交際状況、遺言に至る経緯等の諸事情
を総合考慮することになる。」(令和2年9月
30日広島高裁判決)

としています。つまり医学的判断だけではなく、さまざまな事情を考慮して有効・無効を
判断していることが伺えます。


 

具体的な基準~遺言書の内容~

一般的に認知症の方が書いた遺言書の有効・無効の判断は、内容の複雑性によって判断されま
す。例えば、
   
   「全財産を妻○○に相続させる。」

という内容の遺言書を作成した場合、内容が複雑ではないため、遺言者が作成当時、認知症を
発症していたとしても、(症状の程度にもよりますが)有効となる可能性はあります。
一方、作成した遺言書の内容が

   「不動産を換価し、その換価金から葬儀費用・未払い債務・換価に要した経費を控除
    し残った金銭について次の割合で相続させる。」

というような複雑性が高い場合は、無効とされる可能性が高いといえるでしょう。

 

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