疎遠又は面識がない相続人がいる場合

疎遠又は面識がない相続人がいる場合の手続き等について解説しています。

〇疎遠又は面識がない相続人がいる場合→こちら(2023/07/14作成)
〇住所がわからない場合→こちら
(2023/07/14作成)
〇手紙を書く前に気を付けるべきこと→こちら(2023/07/14作成)
〇疎遠又は面識がない相続人への手紙に書くべき内容とは→こちら
(2023/07/14作成)
〇差出人の住所・氏名を忘れずに書こう→こちら
(2023/07/15作成)
〇面識のない相続人への手紙の文例①主張を書かない書式→こちら(2023/07/30作成)
面識のない相続人への手紙の文例②こちらの主張をさりげなくいれる書式
 →こちら
(2023/11/06作成)
〇返事等はじっくり待とう→こちら(2023/07/20作成)
〇返事等が来ない場合の対処法→こちら
(2023/11/08作成)
〇手紙が返送される場合とは→こちら
(2024/01/26作成)
〇弁護士に依頼する場合の注意点→こちら(2024/1/18作成)
〇相手方が弁護士に依頼した場合→こちら(2023/07/21作成)
〇宛先不明で返送された場合→こちら
(2023/07/28作成)

疎遠又は面識がない相続人がいる場合

相続手続きを進めると、疎遠又は面識がない人も相続人であることが判明したりもします
しかし、いくら疎遠・面識がないからと言って、無視するわけにもいきません。何故なら、
遺言がない限り、遺産分割協議は相続人全員で合意しなければならず、一部の相続人を除
外して協議しても効力が生じないからです
。従って、このような事態が生じたときでも、
早急に連絡を取り手続きを進めていく必要があります。
疎遠又は面識のない相続人がいる事例の代表例は下記のとおりです。

      (疎遠又は面識のない相続人がいる事例の代表例)
    〇被相続人が認知した子がいる。
    〇被相続人が再婚で、再婚前の配偶者との間に子がいる
    〇被相続人の子で、幼少期に他家に養子に行った子
    〇数次相続が発生し、孫同士又は叔父叔母と甥姪が相続人となる場合
    〇被相続人の配偶者と、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合
      →数次相続が生じている場合も含みます。

 

住所がわからない場合

疎遠又は面識がない相続人がいる場合、どこに住んでいるかわからないという事態も起こり
得ます。
このような事例では、被相続人の戸籍から当該相続人の戸籍を追跡し、戸籍の附票
を取得することで、住所を調べることが出来ます。

ただ、当該相続人の戸籍の附票を他の相続人が取得することは、市区町村から個人情報保護
を理由に拒否されるのが実情です。そのため、疎遠又は面識がない相続人と交渉すら出来な
くて、相続手続きが止まっている方も多いのではないでしょうか?

そのような方は、ぜひ当事務所にお問い合わせください。当事務所では司法書士・行政書士
の資格を活かして、相続手続きにおいて必要な相続人特定業務を承っています。この業務に
は、疎遠又は面識がない相続人の戸籍の附票等の取得も含んでいますので、当該相続人の
住所を調べることが出来、交渉すらできないという事態を防ぐことが可能です。詳しくは
下記のページをご参照ください。

      
     「相続人特定サービス→こちら

手紙を書く前に気を付けるべきこと

疎遠又は面識がない相続人と交渉するにあたって、まずは連絡を取らなければなりません。この
連絡を取る方法として、手紙を送ることが一般的です。
しかし、手紙を送るにしてもやり方を間違えると、相続トラブルに発展しかねませんので注意しましょう。やってはいけない手紙の書き方はいきなり自分の主張を伝えることです。例えば、
  
   「相続手続きをしたいので、同封の遺産分割協議書に実印を押して印鑑証明書
    とともに、〇日までに返送してください。」


といった具合です。これは送られた方から見ると、いきなり知らない人から放棄を迫られた
ということにほかなりません。
受け手からの印象は最悪となり、警戒されるでしょう。その
結果、交渉の席にすらついてもらえないこともありえます。
従って、いきなり自分の主張を伝えることは避けたほうが無難です。

 

疎遠・面識がない相続人への手紙に書くべき内容とは

疎遠・面識がない相続人への手紙は、通常の手紙のように自分の思いを書けばよいというものではありません。簡潔かつ要点を絞り、さらに失礼に感じさせないよう書かなければ、相手方に言いたいことが伝わらない不明瞭な手紙になってしまいます。そこで、ここでは手紙に記載しなければならないポイントを列挙して解説します。

         (手紙に書くべき内容のポイント)
   ①手紙を差出した事を詫びる文言
     →相手方からしたらいきなり見知らぬ人から手紙が来て不安に感じています。
      詫びる文章を入れておくことで警戒感が和らぐ可能性があります。
   ②被相続人が死亡した事
     →誰の財産の相続手続きであるかを明確にします。ここで、差出人と被相続人
      都の続柄を記載するとなお良いでしょう。
   ③手紙を出すに至った経緯
     →相続手続きの調査によって、
疎遠・面識がない相続人の存在が判明した事
      を柔らかい表現で記載します。
   
疎遠・面識がない相続人の協力が必要なこと
     →最初の手紙では、あくまでも協力が必要なことだけ伝えたほうが良いでし
      ょう。いきなり自分の主張を伝えると、相手方の態度が硬化する恐れがあ
      ります。
   ⑤相続財産の存在
     →送付時点で相続財産の存在が判明している場合は記載しましょう。調査中
      で不明の場合は、正直に現在調査中であることを書く方が無難です。
   ⑥連絡が欲しい旨
     →最も重要なことです。電話連絡が欲しい場合は連絡先を書きましょう。

 

差出人の住所・氏名を忘れずに書こう

疎遠又は面識がない相続人へ手紙に書くときには、忘れずに差出人の住所・氏名を書きましょう。
「何を当たり前のことを言ってるの?」と思われるでしょうが、ここでは手紙の本文にはもちろ
ん封筒にも書くことが重要です。

これは、送り先の住所に相続人が居住していない場合に、あて所に尋ねあたりません」として返
送されてくるようにするためです。

このような理由で返送されてきた場合は、疎遠又は面識がない相続人が行方不明状態である可能性が
高いため、相続人が行方不明である前提の手続きを検討しなければなりません。
なお、差出人の住所・氏名を手紙の本文に書いて封筒に書いていない場合は返送されてきませんので
注意してください。

面識のない相続人への手紙の文例①主張を書かない書式

面識がない相続人に対する手紙の文例です。文例はこちらの主張を伝えないタイプのものです。

〇〇様
拝啓、突然お手紙を差し上げる失礼をお許しください。
私の父〇〇〇〇(住所 奈良県〇〇市〇〇町〇〇番地 昭和△△年△△月△△日生)は令和

〇〇年〇〇月〇〇日に永眠いたしました。

先日父の法要も滞りなく終えることが出来、そろそろ相続手続きを行わなければならないと思い、戸籍謄本等を収集したところ、〇〇様も相続人の一人であることが判明しました。○○様の存在
を知らなかっ
たとはいえ、本来ならば父が亡くなった時点で○○様にご連絡して葬儀等にに出席
していただく
ようお願いすべきところ、出来なかった当方の失礼のほどをお許しください。

父の相続手続きをするためには、〇〇様だけではなく全ての相続人で合意する必要があるためご
連絡を差し上げた次第です。なお〇〇様のご住所は、司法書士 〇〇 先生に依頼し適法な手続
きの上、〇〇様の戸籍の附票を取得して知ることが出来ました。


相続手続きを進めるにあたっては、〇〇様のご意向をお伺いしたうえで、皆が納得していくような形で進めていきたいと存じます。

つきましては、父の相続手続きについて説明させて頂きたいため、一度私の連絡先(080‐1234‐××××)までご連絡いただけないでしょうか?もしくは同封の封筒に〇〇様の連絡先と連絡ご希望時間を書いて返送していただければ、こちらから連絡させていただきます。

ご多忙の中大変恐れ入りますが、何卒ご協力いただけるようお願い申し上げます。

令和〇〇年〇〇月〇〇日
〒〇〇〇‐〇〇〇〇
奈良県〇〇市〇〇町〇〇番地
 〇〇〇〇(名前)

面識のない相続人への手紙の文例②主張をさりげなく入れる場合

面識がない相続人に対する手紙の文例です。文例はこちらの主張をさりげなく入れるタイプの書式です。下線部分がこちらの主張となっています。

〇〇様
拝啓、突然お手紙を差し上げる失礼をお許しください。
私の父〇〇〇〇(住所 奈良県〇〇市〇〇町〇〇番地 昭和△△年△△月△△日生)は令和

〇〇年〇〇月〇〇日に永眠いたしました。

先日父の法要も滞りなく終えることが出来、そろそろ相続手続きを行わなければならないと思い、戸籍謄本等を収集したところ、〇〇様も相続人の一人であることが判明しました。

父の相続手続きをするためには、〇〇様だけではなく全ての相続人で合意する必要があるためご
連絡を差し上げました。なお〇〇様のご住所は、司法書士 〇〇 先生に依頼し適法な手続きの
上、〇〇様の戸籍の附票を取得して知ることが出来ました。


父の相続財産は別紙のとおり、私が住んでいる自宅の底地(持分2分の1)だけですので、私が取得する形で相続手続きを進めることが当方の希望ですが、そのためには○○様のご協力が不可欠です。

つきましては、父の相続手続きについて説明させて頂きたいため、一度私の連絡先(080‐1234‐××××)までご連絡いただけないでしょうか?もしくは同封の封筒に〇〇様の連絡先と連絡ご希望時間を書いて返送していただければ、こちらから連絡させていただきます。

ご多忙の中大変恐れ入りますが、何卒ご協力いただけるようお願い申し上げます。

令和〇〇年〇〇月〇〇日
〒〇〇〇‐〇〇〇〇
奈良県〇〇市〇〇町〇〇番地
 〇〇〇〇(名前)

返事等をじっくり待とう

疎遠又は面識がない相続人へ手紙を送ったが、すぐに返事等がないと不安になるでしょう。しかし、
だからと言って、最初の手紙から感覚を開けずに、再度手紙を送ることはお勧めできません。
送付された相手方の立場から考えると、いきなり見知らぬ方から手紙が来て戸惑う気持ちや、不安な気持ちになっているかもしれません。このような状態のときに間隔をあけずに送ると、相手方のこちらに対する印象は悪化してしまうことも起り得ます。
従って、最初の手紙に返事等がない場合において、再度お願いの手紙を送るときは、最初の手紙を送付時期より1か月経過してからにしたほうが良いでしょう。

返事が来ない場合の対応

疎遠又は面識がない相続人へ手紙を送ったが、いつまでたっても返事・連絡が来ないということもあります。その場合の対処方法として考えられるのは、

  ①再度手紙を書く
       →複数回手紙を送付することによって連絡をくれる場合もあるからです

  
②直接相続人の住所を訪問する
      
→直接訪問しても不在の場合があります。そのときは訪れたこと及び
     連絡がほしい旨等を書いた手紙をポストに投函しましょう。


等が考えられます。これらの行動をしても何ら返答がない時は、弁護士に相談することも検討しましょう。    

手紙が返送される場合とは

疎遠又は面識がない相続人へ送った手紙が、相手方に届かず返送されてくる場合があります。この場合
考えられるのは

  ①住民票記載の住所に住んでいない
       →手紙に「あてどころにたずねありません」等のスタンプが押されている時は、住民
      登録されているが、実際には住んでい可能性が高いでしょう。行方不明であること
      を想定すべきです

  
②受取拒否している
      
→手紙に受取拒否と記載されてい返送している場合は、そもそも話し合うつもりがない
     可能性が高いです。遺産分割調停を申し立てることを検討しましょう。

 

弁護士に依頼する場合の注意点

疎遠又は面識がない相続人との連絡を試みたが、交渉がまとまらなかった場合やそもそも交渉する
こと自体がためらわれる場合
等に、相続の手続きを進めるには弁護士に依頼せざるを得ません。
しかし、弁護士に依頼するにあたっては

    〇相手方の法定相続分相当額を支払わなければならない

可能性があることに注意しましょう。もちろん弁護士が介在することによって相手方が、相続分
を主張しない場合は、弁護士報酬だけで済みます。しかし、相手方が相続分を主張した場合は、
相手方が特別受益者である等の事情がない限りは、相手方の法定相続分を考慮した遺産分割協議
となります。
このため、弁護士に依頼するにあたっては、報酬だけではなく相手方の法定相続分
相当額分の金銭を用意できるかどうかも考えておきましょう。

相手方が弁護士に依頼した場合

疎遠又は面識がない相続人へ手紙を送ったら、いきなり相手方が依頼した弁護士から連絡が来ること
もあります。このような場合、対処方法としては弁護士と直接交渉するという方法があります。
しかし、相手方代理人である弁護士は豊富な専門知識を活かして、有利となるように交渉を進めて
来る
ので、法律の素人である一般人が立ち向かうのは至難の業といえるでしょう。
そこで、こちらも弁護士に依頼し、弁護士を通じて協議することを検討したほうが良いでしょう。た
だし、相続人には法定相続分が保障されているため、ある程度譲歩せざるを得ないことには注意して
ください。
なお、弁護士を紹介して欲しいという方には、当事務所が紹介することも可能ですので、お気軽にお
問い合わせ下さい。

宛先不明で返送されてきた場合の対処

他の相続人へ送った手紙が、宛先不明つまり宛先の住所に相続人が住んでいないために返送されてきた場合は、当該相続人が行方不明である可能性が高いでしょう。
このような場合、不在者財産管理人の選任の申立てをするか、所在等不明共有者持分取得制度を利用するかを検討することになります。
いずれにしても、当該行方不明相続人が有する法定相続分に該当する金銭を支出する必要があることに注意しなければなりません。

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