遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するために職務を行う者

です。せっかく遺言書を作成しても、それを実現出来なければ意

味がありません。遺言書の内容を実現するには複雑な手続と法律

の知識を有していることが必要になる場合があります。簡単な遺言

内容なら、一般人で ある相続人が遺言執行者になることも可能です

が、財産の種類が多い、財産の額が大きいといった複雑な事案の

場合は、専門的知識を有している第 三者になってもらう方がベス

トでしょう。なお遺言執行者は未成年者 及び破産者以外は誰で

もなれます。

遺言執行者の指定は遺言でしなければなりません。また指定をして

なくとも、第三者に遺言執行者の指定の委託もすることができますが、

この委託も遺言でしなければなりません。もし遺言執行者を遺言書で

指定しなかった場合は、家庭裁判所に選任の申立をすることもできま

す。選任の申立の際に、候補者を立てることもできますが、専門職

に依頼するときは、事前に相続人との話し合いで報酬を決めることが

多いです。 一方遺言で遺言執行者を指定する場合は、遺言書に

遺言執行者の報酬について記載します。但し、遺言執行者の報酬

は、遺言の効力が発生（相続開始）時以降に発生しますので、遺言

書作成時に必要なく、遺言書作成支援等の費用（報酬含む）が必要

となります。

当事務所に、寄せられるご相談の中には、「親族（知人又は友人）が遺言

書を作成したが、その中に、遺言執行者に私を指定するという条項があっ

た。私としては、気が重いので拒否したいが、拒否できるのでしょうか？」

というご相談があります。

遺言書で指定されているから、拒否できないと思われがちですが、いくら

遺言書で指定されていたとしても、就任を強制する効力はなく、拒否する

ことができます。

そしてこの拒否の通知は、相続人全員にしておいた方が無難でしょう。

気を付けていただきたいのは、相続人から、相当の期間を設けて、就

任するかしないか確答すべき旨の催告が届いた場合です。この催告を無

視して、相続人が定めた、相当の期間を過ぎた場合は、就任を承諾したも

のとみなされます（民法１００８条）。一旦、就任したとみなされると、拒否は

出来ず、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可をえて辞任する

しか方法はありません。

遺言執行者の就任を拒否をすれば、相続人は、家庭裁判所に新たに、遺言

執行者選任の申立をすることができます。

当事務所では、遺言者の希望により、遺言執行者となり

遺言執行する業務も承っております。また遺言執行者が

いないときでも、受遺者又は相続人の依頼により遺言執

行者となり遺言執行者になる業務を承っております

のでお気軽にお問合せ下さい。