Q27遺産分割協議は成立したが遺産分割協議書を作成しないまま相続人が死亡した場合

(事例)

Aが死亡し、相続人は配偶者であるB及び成人である子Cのみである

場合において、B及びCとの間で、A名義の不動産をCが取得する旨の

遺産分割協議が成立したが、書面は作成せず、相続登記は未了のまま

放置していたところ、Bが死亡した。この場合直接A名義の不動産をCの

名義とする所有権移転登記(相続登記)をすることができるか

(回答)

この事例においては、Bの存命中に、B及びCとの間でA名義の不動産を

Cが取得する旨の遺産分割協議が成立した事の証明書(いわゆる遺産分

割協議証明書:Cの印鑑証明書付)を作成し、その他の相続等に必要な

書類と共に添付すれば、直接Cの名義とする相続登記を申請することが

できます。なおB及びCとの遺産分割協議が成立しないままBが死亡した

場合は、直接C名義とする相続登記は申請できません。この場合、A名義

からB及びC名義とする相続登記と、B持分をCに移転する相続登記、い

わゆる法定相続登記を2件申請しなければ、C名義に変えることはできま

せん。またこの場合は法定相続登記ですので、遺産分割協議書等は作成

する必要はありません。

(注)従前は、B及びCとの遺産分割協議が成立しないままBが死亡した

   場合、C作成の遺産分割決定書(一人遺産分割)を添付すれば、直接

   C名義とする相続登記を申請できましたが、平成26年に裁判所から

   この取り扱いを否定する判例が出されました。従って現在、遺産分割

   決定書を添付して、直接C名義とする相続登記を申請しても受理され

   なくなりました。

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